生活習慣病外来

当院のコンセプト

治療は長期戦、だからこそひとりひとりに合わせて無理なく継続可能な治療戦略を

治療は長期戦、だからこそひとりひとりに合わせて無理なく継続可能な治療戦略を

生活習慣病とは、文字通り生活習慣が要因となって発症する病気で、高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症があります。生活習慣病は自覚症状がないことが多いのですが、放置すると恐ろしい結果を招く危険性があるので、正しい治療を受けることが大切です。
治療には食事運動療法のみで行う方法と、それに加えて薬を用いる方法とがあります。いずれにしても、食事運動療法を中心とした生活習慣の改善を継続していくことが必要です。
実際に治療を受け始めるまではよかったものの、「もっとたくさん運動をしてください」、「あれは食べてはいけません」、「これは飲んではいけません」等と散々言われ続け、もう自分には無理だと感じて、治療を中断してしまう患者様も決して少なくありません。これは患者様にとっても、医師にとっても残念な結末です。
先にも述べました通り、生活習慣病は風邪のように数日で治ってしまう病気とは異なり、どうしても長い治療期間が必要です。
当院では、患者様の今までのライフスタイル等を考慮し、継続可能な治療を提案します。今までに治療を諦めて中断してしまった苦い経験をお持ちの方も、再チャレンジのつもりで当院にご相談ください。

どうなったら通うべき?

健康診断で血糖値の値が高いと言われた方や、肥満・運動不足が続いているなどの生活習慣の方、一度検査を受けるつもりで受診いただければと思います。

糖尿病

糖尿病とは何か?

糖尿病とは何か?

文字でそのまま解釈してしまうと、「糖」が「尿」に混じる「病気」ということになりますが、実際はそうではありません。実際は、血糖が高くなってしまう病気です。糖尿病も他の生活習慣病と同様、自覚症状がないことが多い病気です。
それゆえ、例えば健診で糖尿病またはその疑いを指摘されても、ついつい放置してしまいがちな病気です。しかし放置しておくと、他の生活習慣病と同様、あるいはそれ以上に、さまざまな合併症が起きやすくなります。合併症の中には、生命を脅かすような恐ろしい病気も含まれています。

糖尿病の主な合併症

  • 網膜症(失明に至ることもある)
  • 足壊疽(切断が必要になることもある)
  • 心筋梗塞
  • 慢性腎不全(透析が必要になることもある)
  • 神経障害
  • 感染症
先ほど自覚症状がないことが多いと述べましたが、血糖値がかなり高めになると、「喉が渇きやすい」、「尿が多い」等、いろいろな自覚症状が出現することがあります。合併症を伴ってしまうと、さらにいろいろな症状が出現します。

糖尿病の治療

糖尿病の治療

糖尿病にもさまざまな分類があり、それぞれ治療法が異なります。
薬には内服薬と注射薬があります。
当院では原則、月1回の血液検査(血糖、HbA1C)、検尿をおすすめしていますが、これらの結果に基づいて、薬の調節をします。
当院では、血糖、HbA1C、検尿をすぐに測定する機器を配備していますので、診察当日に結果をお伝えすることができます。

内服薬

スルホニル尿素薬、DPP-4阻害薬、グリニド… 膵臓でのインスリン分泌を促進する
ビグアナイド、チアゾリジン… インスリン抵抗性を改善する
α-グルコシダーゼ阻害薬、SGLT2阻害薬… 糖吸収や排泄を調節する

注射薬(インスリン、GLP-1受容体作動薬)

注射薬は毎日(1日1〜4回)投与する必要があるため、自分で注射する必要があります。
毎日の自分での注射は煩わしさがあるため、なるべく内服薬のみで検討しますが、必要な場合は避けて通れない治療法です。

高血圧

高血圧

高血圧の人は国内に約4000万人いるといわれています。赤ちゃんから高齢者まで合わせると、3人に1人の計算になります。他の生活習慣病同様、ほとんどの人は無症状です。しかし放っておいてはいけない理由は合併症があるからです。

高血圧の主な合併症

心筋梗塞、心不全、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、慢性腎臓病、大動脈瘤

高血圧の治療

軽症であれば、内服薬を使わずに食事運動療法で改善することも期待できます。しかし、中等度以上か、食事運動療法で改善しなかった場合は、内服薬による治療が必要です。
高血圧は、内科学領域の中で最もEvidence-based medicine(根拠に基づいた医療)が進んでいる疾患のひとつです。世界中の大規模な研究によって、最も優先して使用するべきと位置付けられている薬もあり、それを念頭に置きながら治療を行います。
治療効果の判定には家庭血圧のチェックが有効ですので、家庭血圧計をお持ちの方には、ご自宅での血圧測定をおすすめしています。血圧手帳は当院でお配りしております。

内服薬

カルシウム拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、利尿薬、α受容体遮断薬、β受容体遮断薬等

脂質異常症

脂質異常

脂質異常症とは、以下の基準のうち1つ以上を満たすものをいいます。

LDLコレステロール(悪玉コレステロール)≧140mg/dL
HDLコレステロール(善玉コレステロール)<40mg/dL
中性脂肪≧150mg/dL
生活習慣(食事、飲酒等)に起因するものが多いですが、遺伝体質によって発症する場合もあります。

脂質異常症の主な合併症

心筋梗塞、脳梗塞、大動脈瘤

脂質異常症の治療

軽症であれば、内服薬を使わずに食事運動療法で改善することも期待できます。
しかし、中等度以上か、食事運動療法で改善しなかった場合は、内服薬による治療が必要です。

内服薬

スタチン、フィブラート、イコサペント酸、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬等

高尿酸血症

高尿酸血症

高尿酸血症という病名はあまり聞いたことがないかもしれません。しかし、痛風の原因疾患であると聞けば、なんとなくイメージできる人も多いのではないのでしょうか。痛風は血中尿酸濃度の上昇がきっかけで関節に炎症を起こす病気です。
血中尿酸濃度>7mg/dLで高尿酸血症と診断されます。痛風は「産生過剰型」と「排泄低下型」に分類され、どちらの型かは薬の選択にも重要になってきますが、血液検査と尿検査の組み合わせにより診断できます。
食事療法や飲酒量を減らす等の対策も重要ですが、これだけで尿酸値が下がらない場合は、内服薬が必要となります。

高尿酸血症の治療

軽症であれば、内服薬を使わずに食事運動療法で改善することも期待できます。
しかし、中等度以上か、食事運動療法で改善しなかった場合は、内服薬による治療が必要です。

内服薬

尿酸排泄促進薬、尿酸生成抑制薬、消炎鎮痛薬(消炎鎮痛薬)